BLOG行政書士大山真哉事務所ブログ
【育成就労】外部監査人の設置義務化と氏名公表について解説
最終更新日 2026年6月20日
技能実習制度に代わり、新たにスタートする「育成就労制度」。
新制度への移行に伴い、従来の「監理団体」は「監理支援機関」へと生まれ変わりますが、その許可要件のなかでも特にご相談が多いのが「外部監査人の設置義務化」と「氏名公表」に関するルールです。
「要件が厳しすぎて、誰に頼めばいいのかわからない」「氏名が公表されるって本当?」と不安に思われているご担当者様も多いのではないでしょうか。今回の制度改正は、監査体制に対してこれまで以上に高い透明性を求めており、確かに厳格です。
しかし、ルールを正しく理解し、適切な専門家を配置すれば、適正な機関として信頼性をアピールする大きなチャンスにもなります。本記事では、ビザや外国人法務を専門とする行政書士の視点から、外部監査人の義務化と氏名公表の要点について分かりやすく解説します。
1.技能実習との違いは?「外部監査人」の設置が義務化へ
技能実習制度では、3か月に1回以上の頻度で監理団体の業務を監査する外部者として、外部役員の選任または外部監査人の設置が必要となっています。
外部役員も外部監査人も、実習実施者および監理団体からの外部性が求められていますが、外部役員は外部監査人と異なり、監理団体が行う業務に従事することが許容されているため、役員同士のなれ合いが懸念されてきました。
そのため、育成就労制度では、外部監査人の設置を義務化し、外部役員の選任のみでは許可要件を満たさないこととされました。
この外部監査人は、指定の講習を修了した者であって、弁護士や社労士、行政書士など、育成就労制度の専門的知見を有する者に限定されています。
(出典:児玉祐基 著 2027年4月施行対応 Q&Aでわかる育成就労制度 79頁)
2.要注意!外部監査人の「氏名公表」のリスク
「外部監査人」の設置義務化に加えて、外部監査人が実質的に機能するよう、外部監査人の氏名が外国人育成就労機構によって公表されることになりました。
監理支援機関がペナルティーを受けた場合には、監理支援機関の名称が公表され、その監理支援機関の外部監査人の氏名も明らかになります。
これは、外部監査人に対して「名義貸し」や「なあなあの監査」を許さないという国からの強いメッセージです。
万が一、監理支援機関や実習実施者で重大な不正が発覚した場合、「誰がこの機関の監査を担当していたのか」が白日の下に晒されます。
つまり、外部監査人自身も自らの社会的信用と看板を背負って、責任ある監査を行うことが求められるということになります。
育成就労制度への移行に伴い、すべての監理支援機関は「氏名公表を前提とした、責任ある外部監査人」を新たに選任しなければなりません。
制度開始が近づくにつれ、要件を満たす外部監査人(行政書士や弁護士など)は全国の機関で奪い合いとなり、すぐにスケジュールが埋まってしまうことが予想されます。「誰にも頼めず、許可申請が進まない」という事態を防ぐためにも、準備の早い段階で監査人候補とコンタクトを取り、契約を進めることを強くお勧めします。
外部監査人の選任や、育成就労制度に基づく監理支援機関への移行についてご不安な点があれば、当事務所までお気軽にご相談ください。
制度の趣旨を踏まえ、貴団体の適正かつスムーズな運営を全力でサポートいたします。