BLOG高井戸行政書士事務所ブログ

2025.3.3

【お酒】酒類販売管理者に代わる責任者

1.酒類販売管理者の役割

酒類の小売販売における社会的要請への取組としては、法令上の義務の履行から、消費者の利便性確保等のための自主的取組まで様々なものが考えられますが、酒類は国民の生活に大変関わりの深い飲料であり、個々の販売場においては、これらの要請にしっかりと応えていく必要があります。

その中で、酒類販売管理者は、その選任された酒類の小売販売場において、酒類小売業者又は酒類の販売業務等に従事する者に対し、これらの者が酒類の販売業務に関する法令の規定を遵守してその業務を実施するために必要な助言又は指導を行います。

具体的な指導内容を例示すると、次のとおりです。

① 酒類と他の商品との明確な区分陳列
② 酒類の陳列場所における「酒類の売場である」又は「酒類の陳列場所である」旨及び「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨の適正な表示
③ 酒類自動販売機の適切な管理及び表示基準に基づく適正な表示
④ ポスターの掲示、店内放送などによる未成年者飲酒防止及び適正飲酒等の注意喚起
⑤ 未成年者と思われる者に対する年齢確認の実施
⑥ 酒類の特性、商品管理等の知識の普及
⑦ その他酒類の販売業務に関する法令の知識の普及
2.酒類販売管理者に代わる責任者

酒類の適正な販売管理の実効性を確保するために、酒類販売管理者が、その選任された販売場に長時間不在となるときなど、次の①~⑦に掲げるいずれかに該当する場合には、その販売場において酒類の販売業務に従事する者の中から酒類販売管理者に代わる者を「責任者」として必要な人数を指名し、配置するよう国税当局から指導が行われています。

この責任者は、成年者を指名することが望ましく、特に夜間(23時~翌日5時)においては成年者を指名し、配置するよう指導が行われています。

○ 酒類販売管理者に代わる責任者の指名の基準

① 夜間において、酒類の販売を行う場合
② 酒類販売管理者が常態として、その選任された販売場に長時間(2~3時間以上)不在となることがある場合
③ 酒類売場の面積が著しく大きい場合(100平方メートル以上の場合)
※この場合、100㎡を超えるごとに、1名以上の責任者を指名することが求められています。
④ 同一建物内において酒類売場を設置している階が複数ある場合
※この場合、酒類販売管理者のいない各階ごとに、1名以上の責任者を指名することが求められています。ただし、レジスター等により代金決済をする場所が各階になく1か所にしかない場合で、かつ、酒類販売管理者のみで酒類の適正な販売管理が確保できると認められる場合は、酒類販売管理者に代わる責任者を指名しなくても差し支えないものとされています。
⑤ 同一の階にある複数の酒類売場が著しく離れている場合(20メートル以上離れている場合)
⑥ 複数の酒類売場が著しく離れていない場合であっても、同一の階において酒類売場の点在が著しい場合(3か所以上ある場合)
⑦ その他酒類販売管理者のみでは酒類の適正な販売管理の確保が困難と認められる場合

(出典:酒類販売管理研修モデルテキスト(令和6年7月)

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