BLOG高井戸行政書士事務所ブログ

2025.1.14

【技能実習】外国人技能実習機構による実地検査

最終更新日 2025年1月16日

1.外国人技能実習機構とは

外国人技能実習機構(Organization for Technical Intern Training(OTIT))(以下「機構」といいます。)は、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「技能実習法」といいます。)」に基づき法務省及び厚生労働省が所管する認可法人です。

外国人の技能等の修得等に関し、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り、もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を推進することを目的として平成29年1月25日に設立されました(技能実習法第57条)。

機構の主な業務は、技能実習計画の認定、実習実施者・監理団体に対する実地検査、各種届出の受理、相談・援助業務等があります。

2.外国人技能実習機構が行う実地検査

機構の職員は、主務大臣からの委任を受けて、実習実施者に対して実地検査を行うことが技能実習法に定められています(技能実習法第14条)。

◎外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律

(機構による事務の実施)
第十四条 出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、第十二条第一項の規定により機構に認定事務の全部又は一部を行わせるときは、この節の規定を施行するために必要な限度において、次に掲げる事務を機構に行わせることができる。
一 実習実施者等若しくは監理団体等又は役職員等に対して必要な報告又は帳簿書類の提出若しくは提示を求める事務
二 その職員をして、関係者に対して質問させ、又は実地に実習実施者等若しくは監理団体等の設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させる事務
2 出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、前項の規定により機構に報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を求めさせ、又は質問若しくは検査を行わせる場合には、機構に対し、必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
3 機構は、前項の指示に従って第一項に規定する報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を求め、又は質問若しくは検査を行ったときは、その結果を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に報告しなければならない。

出典: laws.e-gov.go.jp

実地検査には、関係者から相談、申告、情報提供があった場合等に直ちに行われる臨時検査、原則、監理団体に1年に1度、実習実施者に3年に1度実施される定期検査があります。

実地検査において、認定計画に従って技能実習が適正に行われているか確認するため、実習実施者に報告を求め、必要な帳簿書類等を確認します。技能実習法違反の場合や出入国・労働関係法令違反が疑われる場合などには、改善勧告・改善指導を行います。

改善勧告・改善指導に対して書面で改善報告を求められるほか、再度訪問して実地に改善状況を確認される場合があります。

実習実施者は、機構の実地検査に際して、虚偽の報告や虚偽の必要書類の提出等をした場合には、認定計画の認定が取消される場合がありますので注意が必要です(技能実習法第16条第1項第5号)。

◎外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律

(認定の取消し等)
第十六条 (略)
一 (略)
二 (略)
三 (略)
四 (略)
五 第十四条第一項の規定により機構が行う報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示の求めに虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定により機構の職員が行う質問に対して虚偽の答弁をしたとき。
六 (略)
七 (略)
2 出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、前項の規定による実習認定の取消しをした場合には、その旨を公示しなければならない。

出典: laws.e-gov.go.jp