BLOG高井戸行政書士事務所ブログ

2024.11.27

【在留手続】「技術・人文知識・国際業務」に係る関連性審査の緩和

最終更新日 2024年11月27日

お問い合わせがありましたので、過去のブログの再投稿です。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格該当性のある活動のうち、「技術」類型と「人文知識」カテゴリーについては、上陸許可基準として、「従事しようとする業務に必要となる技術又は知」と、「卒業した大学又は日本の専修学校(専門学校)における専攻科目」との間に関連性が求められます。

◎在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要

【人文知識・国際業務類型】
大卒等の学歴のある者や一定の実務経験を有する者が、その学修した内容や実務経験に関連した一定水準以上の文化系の業務を行う活動(業務を限定して就労可能)
技術類型
大卒等の学歴のある者や一定の実務経験を有する者が、その学修した内容や実務経験に関連した一定水準以上の理科系の業務を行う活動(業務を限定して就労可能)
人文知識カテゴリー<国際業務カテゴリー>
経理、金融、総合職、会計、コンサルタント等の、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的知識を必要とする文化系の活動翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、デザイン、商品開発等の外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を必要とする文化系の活動
在留資格該当性+上陸許可基準適合性
(出典:山脇康嗣『詳説 入管法と外国人労務管理・監査の実務〔第3版〕』221頁(新日本法規、令和4年))

出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令

活動基準
法別表第一の二の表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第九十八条に規定する国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りでない。
 申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。
 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。
 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。
 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。
 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
(引用元:e-Gov 法令検索|出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令

令和6年2月に運用が変更されるまでは、大学における専攻科目と従事しようとする業務の関連性については、柔軟に判断されていたのに対し、専修学校における専攻科目と従事しようとする業務については、例外なく、相当程度の関連性が必要とされていました。

未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ (第二次提言)」(令和5年4月27日教育未来創造会議)等を踏まえ、高度外国人材の定着率向上や専修学校等を卒業又は修了した外国人材に一層の活躍の機会を提供することを目的として、令和5年6月、専修学校の専門課程の学科であって、質の高い教育を行うとともに、外国人留学生のキャリア形成促進を目的として、日本社会の理解の促進に資する教育を行うものを文部科学大臣が認定する新たな制度が創設されました。

これを受けて、令和6年2月、上記の認定を受けた専修学校の専門課程の学科(認定専修学校専門課程)を修了した専門士について、運用により、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更時における専攻科目と従事しようとする業務との関連性を、(大学卒業者と同様に)柔軟に判断することとし、入管庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」が改められました。

(出典:山脇康嗣『令和5年度・6年度入管法令改正及び育成就労法の解説』158~159頁(新日本法規、令和6年))

報道発表資料
令和6年2月29日
出入国在留管理庁

外国人留学生の就職促進に向けた運用等の見直しについて
概要
「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(第二次提言)」(令和5年4月27日教育未来創造会議)等を踏まえ、高度外国人材の定着率向上や専修学校等を卒業又は修了した外国人材に一層の活躍の機会を提供することを目的として、令和5年6月、専修学校の専門課程の学科であって、質の高い教育を行うとともに、外国人留学生のキャリア形成促進を目的として日本社会の理解の促進に資する教育を行うものを文部科学大臣が認定する新たな制度が創設されました。
これを受けて、当庁においては、(1)上記認定を受けた専修学校の専門課程の学科(以下「認定専修学校専門課程」という。)を修了した者について、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更時における専攻科目と従事しようとする業務との関連性を柔軟に判断することとし、「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(ガイドライン)を改めるとともに、(2)高度専門士の称号を得た者(認定専修学校専門課程を修了した者に限る。)など、大学卒業者と同等と認められる者について、「特定活動(告示第46号)」の対象に追加することとし、本日付けで法務省告示を改正しました。

出典: www.moj.go.jp

認定専修学校専門課程を修了した者は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係る申請の際に「認定学科修了証明書」の提出が必要となります。

(出典:出入国在留管理庁HP|在留資格「技術・人文知識・国際業務」)

「専門性」から「必要性」への流れは加速していますね。

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