BLOG高井戸行政書士事務所ブログ

2024.8.6

【技能実習】監理団体の外部監査

最終更新日 2024年8月8日

技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を実現するためには、監理団体が実習実施者に対して指導・監督を適切に行うことを担保し、監理団体が中立的な業務の運営を行うことが不可欠です。
一方で、監理団体が、その組合員たる実習実施者を実習監理するに際し、中立的な業務の運営を行うことが難しい側面も存在することも事実です。このため、外部役員を置くこと又は外部監査の措置を講じることのいずれかの措置を監理団体が講じていることを法律上義務付け、外部の視点を加えることにより、監理団体の業務の中立的な運営を担保しようとするものです。
(出典:技能実習制度 運用要領/令和6年4月 出入国在留管理庁・厚生労働省 編

当事務所では、監理団体の「外部監査」の業務を行っています。「外部監査報告書」の様式に基づいて外部監査事項を紹介させていただきます。

外部監査事項

(1)監理費

①団体監理型実習実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収していること。
②徴収した職業紹介費が団体監理型実習実施者等と団体監理型技能実習生等との間における雇用関係の成立のあっせんに係る事務に要する費用(募集及び選抜に要する人件費、交通費、外国の送出機関へ支払う費用その他の実費に限る。)の額を超えていないこと。
③徴収した講習費が、入国後講習に要する費用(監理団体が支出する施設使用料、講師及び通訳への謝金、教材費、第1号団体監理型技能実習生に支給する手当その他の実費に限る。)の額を超えていないこと。
④徴収した監査指導費が、団体監理型技能実習の実施に関する監理に要する費用(団体監理型実習実施者に対する監査及び指導に要する人件費、交通費その他の実費に限る。)の額を超えていないこと。
⑤徴収したその他諸経費が、その他技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に資する費用(実費に限る。)の額を超えていないこと。

(2)業務

①団体監理型実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせているか等、監理責任者の指揮の下、主務省令第52条第1号イからホまでに定める方法(団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上当該方法によることが著しく困難な場合にあっては、他の適切な方法)によって3か月に1回以上の頻度で監査を行うほか、実習認定の取消し事由に該当する疑いがあると認めたときは、直ちに監査を行っていること。
②第1号団体監理型技能実習に係る実習監理にあっては、監理責任者の指揮の下、1か月に1回以上の頻度で、団体監理型実習実施者が認定計画に従って団体監理型技能実習を行わせているかについて実地による確認(団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上当該方法によることが著しく困難な場合にあっては、他の適切な方法による確認)を行うとともに、団体監理型実習実施者に対し必要な指導を行っていること。
③技能実習を労働力の需給の調整の手段と誤認させるような方法で、団体監理型実習実施者等の勧誘又は監理事業の紹介をしていないこと。
④入国後講習を認定計画に従って実施しており、かつ、入国後講習の期間中に団体監理型技能実習生を業務に従事させていないこと。
⑤技能実習計画作成の指導に当たって、団体監理型技能実習を行わせる事業所及び団体監理型技能実習生の宿泊施設を実地に確認するほか、主務省令第52条第8号イからハに規定する観点から指導を行っていること。
⑥技能実習生の帰国旅費(第3号技能実習の開始前の一時帰国を含む。)を負担するとともに技能実習生が円滑に帰国できるよう必要な措置を講じていること。
⑦実習監理を行っている団体監理型技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと。
⑧団体監理型技能実習生との間で認定計画と反する内容の取決めをしていないこと。
⑨実習監理を行っている団体監理型技能実習生からの相談に適切に応じるとともに、団体監理型実習実施者及び団体監理型技能実習生への助言、指導その他の必要な措置が講じられていること。
⑩監理団体の業務(監理費の徴収を含む。)に係る規程をインターネットに公表していること。ただし、インターネットによる公表が困難である相当の理由がある場合は、事業所内へ掲示していること。
⑪団体監理型実習実施者が、団体監理型技能実習に関し労働関係法令に違反しないよう、監理責任者に必要な指導を行わせていること。
⑫団体監理型実習実施者が、団体監理型技能実習に関し労働関係法令に違反していると認めるときは、監理責任者に是正のための必要な指示を行わせていること。
⑬⑫の指示を行ったときは、速やかに、その旨を関係行政機関に通報していること。
⑭事業所管大臣が特定の職種及び作業に特有の事情に鑑み告示で定める基準や方法に従って業務を行っていること(該当がある場合に限る)。

(3)書類

①団体監理型実習実施者及び団体監理型技能実習生の管理簿が適切に作成され、備え付けられていること。
②監理費に係る管理簿が適切に作成され、備え付けられていること。
③団体監理型技能実習に係る雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿が適切に作成され、備え付けられていること。
④団体監理型技能実習の実施状況に係る監査に係る文書が適切に作成され、備え付けられていること。
⑤入国後講習及び入国前講習の実施状況を記録した書類が適切に作成され、備え付けられていること。
⑥訪問指導内容を記録した書類が適切に作成され、備え付けられていること。
⑦団体監理型技能実習生から受けた相談の内容及び当該相談内容への対応を記録した書類が適切に作成され、備え付けられていること。
⑧外部監査人による監査に係る文書が適切に作成され、備え付けられていること。
⑨事業所管大臣が特定の職種及び作業に特有の事情に鑑み告示で定める基準や方法に従って書類を作成し備え付けていること(該当がある場合に限る)。

(4)保護

①暴行・脅迫・監禁等により技能実習を強制していないこと。
②保証金の徴収・違約金を定める契約等がないこと。
③預金通帳の管理など不当な財産管理を行っていないこと。
④旅券・在留カードを保管していないこと。
⑤技能実習生の私生活の自由を不当に制限していないこと。

(5)その他

①監理団体の許可証を各事業所に備え付けていること。
②技能実習の実施が困難となった場合、技能実習生が引き続き技能実習を行うことを希望するものが技能実習を行うことができるよう、他の監理団体等との連絡調整等を行っていること。

※主務省令:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則

(出典:外部監査報告書(参考様式第4-12号(技能実習法施行規則第54条第1項第8号関係)))

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